三菱UFJ銀行は日本を代表する3大メガバンクのひとつで、主に首都圏(旧三菱銀行)、京阪神圏(旧三和銀行)、中京圏(旧東海銀行)の利用者が多い銀行です。被相続人がこれらの地域に住んでいた場合は三菱UFJ銀行の口座を持っているケースが多いため、ぜひこの記事を参考に相続手続を進めてください。
三菱UFJ銀行の相続手続の流れ
三菱UFJ銀行の相続手続は、他の一般的な金融機関での相続手続と大きく違う部分はありません。ただし多くの金融機関が支店ごとに対応するのに対し、三菱UFJ銀行では専門の「相続オフィス」が相続に関する手続きや相談にまとめて対応しているのが特徴です。
相続発生の連絡
三菱UFJ銀行の口座を持っている被相続人が死亡(相続が発生)した場合、まずはその事実を三菱UFJ銀行に連絡します。連絡方法は以下の2通りです。
①「相続オフィス」に電話する
三菱UFJ銀行の相続手続を専門に扱う相続オフィスに直接電話して、口座名義人の相続が発生したことを伝えます。手続をスムーズにするため、連絡する際は名義人の通帳やキャッシュカードなど、取引内容がわかるものをあらかじめ用意しておきます。
三菱UFJ銀行 相続オフィス フリーダイヤル:0120-39-1034 受付日時:月~金曜日 9:00~16:00 (土・日・祝日・12/31~1/3を除く) |
②支店経由で手続きをする
最寄りにある三菱UFJ銀行の支店で相続発生を伝えます。この場合は支店からテレビ電話で相続オフィスにつなぎ、相続オフィスの専門スタッフに直接連絡をします。支店窓口での受付も可能ですが、その場合はあらかじめ「ご来店予約」から予約が必要です。
上記①②のどちらの場合も、連絡後に口座が凍結され、相続手続が終わるまで入出金ができなくなります。公共料金などの支払いに利用していた場合は引き落としができなくなってしまうため、事前に関係各所に連絡して、支払い口座の変更などが必要です。
なお葬儀費用の引き出しが必要な場合は、口座凍結後も「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を利用できます。相続オフィスや窓口であらかじめ相談しておくと手続きがスムーズになるでしょう。
必要書類の準備
相続手続に必要な書類については相続オフィスへの連絡時に案内してもらえます。三菱UFJ銀行所定の「相続届」は相続オフィスから郵送されてくる(窓口で手続きする場合は手渡しされる)ため、相続人全員の直筆の署名と捺印をしておきます。
書類の提出
署名捺印した「相続届」とその他の書類が揃ったら、最寄りにある三菱UFJ銀行の支店窓口に提出します。窓口対応は予約優先となるため、提出する日時が決まったら「ご来店予約」から予約をしておくとスムーズです(予約がないと当日対応が難しくなることがあります)。
提出する書類(戸籍謄本など)は基本的に原本なので、もし返却を希望する場合は提出時に申し出るようにしましょう。また提出した書類に不足がある場合、内容確認のやりとりなどで手続きが遅れてしまいます。指定された書類がきちんと揃っているかどうか、十分に確認してから提出するようにしてください。
払い戻し等の手続き
書類を提出してから約2週間ほどで払い戻しが行われます。払い戻しはあらかじめ指定した方法で行われます(相続人の口座への振り込みが一般的です)。
なお被相続人が預金以外の取引(ローンや融資、運用性商品、貸金庫など)を利用していた場合、払い戻しまでの日数がさらに増えたり、追加の手続きが必要になることもあるため注意してください。
用意する書類について
三菱UFJ銀行の相続手続で必要な書類は、主に戸籍謄本や印鑑証明書などです。ただし「遺産分割協議書や遺言書の有無」や「(遺言書がある場合に)遺言執行者がいるかどうか」によって用意する書類は多少異なります。
三菱UFJ銀行の相続オフィスに連絡するときは、あらかじめ相続の状況を確認しておくことが大切です。
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遺言書・遺産分割協議書がない場合
遺言書も遺産分割協議書もない状態で相続手続をする場合は、法定相続人全員が相続届に署名捺印します。その他、必要な書類は以下の通りです。
- 相続届(法定相続人の方全員の署名・捺印が必要)
- 戸籍謄本等(原本)
※「法定相続情報一覧図の写し」(法務局の発行する認証文付きの書類原本)を提出する場合は不要 - 印鑑証明書(原本・法定相続人の全員分・発行日より6ヵ月以内)
- 通帳・キャッシュカード・貸金庫の鍵など(原本)
遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合
遺産分割協議書がある場合(遺産分割協議が成立している場合)、三菱UFJ銀行の口座にある預金資産を承継する人が相続届に署名捺印します。その他、必要な書類は以下の通りです。
- 相続届(資産を承継する人の署名・捺印が必要)
- 遺産分割協議書(原本)
- 戸籍謄本等(原本)
※「法定相続情報一覧図の写し」(法務局の発行する認証文付きの書類原本)を提出する場合は不要 - 印鑑証明書(原本・法定相続人の全員と資産を承継する人の分・発行日より6ヵ月以内)
- 通帳・キャッシュカード・貸金庫の鍵など(原本)
遺言書があり、遺言執行者がいない場合
遺言書があるものの遺言執行者がいない場合は、遺言書で三菱UFJ銀行の預金資産の承継人として指定された人(受遺者)が相続届に署名捺印します。その他、必要な書類は以下の通りです。
- 相続届(受遺者の署名・捺印が必要)
- 遺言書(原本)
※自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は遺言書情報証明書を提出
※公正証書遺言の場合と自筆証書遺言書保管制度を利用している場合を除き、家庭裁判所の検認済証明書も提出 - 戸籍謄本等(原本)
※「法定相続情報一覧図の写し」(法務局の発行する認証文付きの書類原本)を提出する場合は不要 - 印鑑証明書(原本・受遺者の分・発行日より6ヵ月以内)
- 通帳・キャッシュカード・貸金庫の鍵など(原本)
遺言書があり、遺言執行者がいる場合
遺言書があり遺言執行者も指定されている場合、遺言執行者と受遺者の両方が相続届に署名捺印します。その他、必要な書類は以下の通りです。
- 相続届(遺言執行者と受遺者の署名・捺印が必要)
- 遺言書(原本)
※自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は遺言書情報証明書を提出
※公正証書遺言の場合と自筆証書遺言書保管制度を利用している場合を除き、家庭裁判所の検認済証明書も提出 - 戸籍謄本等(原本)
※「法定相続情報一覧図の写し」(法務局の発行する認証文付きの書類原本)を提出する場合は不要 - 印鑑証明書(原本・遺言執行者と受遺者の分・発行日より6ヵ月以内)
- 通帳・キャッシュカード・貸金庫の鍵など(原本)
三菱UFJ銀行の残高証明書発行について
相続税申告のために、被相続人の預金額を正確に把握するには「残高証明書」が必要です。三菱UFJ銀行の残高証明書の発行を希望する場合、最寄りの支店窓口に相続手続中であることを申し出て、以下の書類などを提出します。
- 戸籍謄本、除籍謄本等
被相続人の死亡年月日と、請求者が相続人であることを確認できるもの(法務局が発行する「法定相続情報一覧図の写し」を提出する場合は不要) - 実印と印鑑証明書
請求者(相続人)のもの - 発行手数料
1通につき770円(経過利息計算書は2200円、取引推移表は証明期間1か月につき330円)
三菱UFJ銀行の相続手続きを専門家に任せるメリット
三菱UFJ銀行の相続手続は原則として相続人や遺言執行者が行いますが、行政書士などの専門家に依頼して任せることも可能です。専門家に依頼する主なメリットは次の通りです。
- 時間の節約になる
- ミスのない手続きをしてもらえる
- 相続に関する相談ができる
ちなみに専門家にもいろいろな種類があります。『遺産相続は誰に頼むのがベター?各専門家の業務範囲や費用・注意点についても解説』を参考にしながら、最もニーズを満たしてくれる専門家を選ぶようにしましょう。
まとめ
被相続人が三菱UFJ銀行の口座を持っている場合、そこに入っている預金も相続財産の一部です。遺言書の内容、もしくは遺産分割協議書で預金の相続人が決まったら、速やかに三菱UFJ銀行の窓口で手続きを行うようにしましょう。
行政書士・富樫眞一事務所では、横浜及びその周辺地域(神奈川、東京、埼玉、千葉)で上記遺産相続問題でお悩みの方に適切な解決策をアドバイスさせて頂きます。
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