認知症の方が相続人の場合

 

認知症は、誰もが身近になり得る病気です。
2018年のデータでは65歳以上の日本人のうち約7人に1人が認知症でした。
自分も家族も認知症になる可能性が少なくない現代において、認知症になった場合の相続についての知識を知っておくことは大切です。

 

相続人に認知症の人がいる場合は準備が必要

相続人に認知症の人がいて、自力で判断することが難しい場合、被相続人(故人)の財産は凍結されます。
凍結を解除するためには、相続人全員で合意をとり、相続する人を確定させることが必要です。
ただし、そのなかに認知症の人がいると、話し合いを行うことができず、全員の合意がとれないという事態に陥ってしまいます。
話し合いが進められなくなると、故人名義の不動産も売却などが一切できなくなってしまいますので、話し合いが必要になる前に準備をしておくことが重要です。

 

成年後見制度を活用する

上記の協議をしなくて済む方法が、「成年後見制度」です。
認知症の相続人に代わって後見人という役割の人が、財産の管理や諸々の契約を行うという制度です。
後見人が決まっている場合、個人の預貯金は後見人の口座に移されます。
協議なども後見人が参加し、認知症の人の代わりに話し合いを行います。

 

成年後見制度の難しいポイント

便利そうに見える成年後見制度ですが、いくつかのポイントに気をつけなくてはいけません。
それは、大半は親族以外の人が後見人に選ばれるということです。
成年後見人を誰にするかは、家庭裁判所で決定されます。
令和元年のデータでは、親族が後見人に選ばれたケースは全体の2割程度でした。
大多数は、専門家などが選ばれることが多いです。
専門家が選ばれた場合には、親族はすべての重要なやりとりを、専門家を通して行わなくてはならないため、手間が増えることになります。
さらに、この後見人には報酬が発生します。
認知症の人(相続人)が亡くなるまで、毎月2万円程度の報酬を後見人に支払う必要があり、相続人の保有財産額によっては5万円程度になることもあるのです。
専門家が後見人に選ばれた場合は、やりとりの面倒さが増えた上に報酬を支払わなくてはいけません。
また、この後見人は「相続人の財産をできるだけ守ること」を役割としています。
そのため、他の家族に多く遺産を渡さないように話を進めようとする可能性があります。
後見人によって新たなトラブルが起こる可能性もあるので、成年後見制度の利用を避けたいと考える人も多いかもしれません。

 

遺書を書いておくことが大切

家族に認知症の人がいるとわかったら、被相続人は生きているうちにできるだけ遺書を書いておくとよいでしょう。
「誰に相続するか」が確定していたら、合意をとるための話し合いをしなくて済みますし、成年後見制度を使わなくてよいので親族に面倒をかけることなく、確実に財産を残せます。
成年後見制度によって親族にもたらされる心身の負担は計り知れません。
残された家族の負担を減らすために、できるだけの準備はしておきましょう。

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