不動産名義書換手続を自分でやるにはどうする?
相続が発生し、亡くなった方が所有していた土地や建物などの不動産を相続して、自分の名義にしたいとき、自分で行うことも可能です。
では、どこで手続きをすればいいのでしょうか。
「登記所」という答えが返ってきそうですが、「登記所」という場所はありません。
不動産名義書換手続をして相続登記をする場所は「法務局」と呼ばれています。
もっとも、「法務局なんて聞いたことがない」といった方も多いのではないでしょうか。
一般的には「法務局」のことを「登記所」と呼ぶケースが多いのが実情です。
法務局で行える手続き一つに不動産登記があるため、通称として「登記所」と呼ばれがちですが、法務局が正式名称ですので間違えないようにしましょう。
さらに、不動産名義書換手続ができるのは、お住まいや職場の最寄りの法務局ではなく、相続する不動産の所在地を管轄する法務局です。
東京に住んでいたとしても、大阪の実家を相続すれば、大阪が手続き場所になります。
さらに、たとえば大阪の実家と軽井沢の別荘を相続したとすれば、それぞれの所在地を管轄する法務局で別々に手続きをしなくてはなりません。
不動産名義書換手続を自分でやるためのステップ
不動産名義書換手続は、管轄の法務局に行けばできるわけではなく、いくつものステップを踏む必要があります。
主な流れは次のとおりです。
- 不動産を含めた相続財産を確定
- 相続人を確定
- 相続人全員で遺産分割協議を行う
- 遺産分割協議書を作成する
- 必要書類をそろえる
- 法務局に出向いて申請書類を書いて収入印紙を支払って名義変更手続きを行う
煩雑な手続きがいくつもある
とりあえず自宅だけ不動産名義書換手続をしいたいと思っても、それは不可能です。
まずは、不動産を含めたすべての相続財産を洗い出す必要があります。
さらに、亡くなった方の出生時から死ぬまでの原戸籍を取り寄せて法定相続人となる人を確認し、その全員で話し合って誰が何を相続するのか決めなくてはなりません。
全員が合意できたら遺産分割協議書を作成します。
不動産名義書換手続のためには遺産分割協議書や戸籍謄本や住民票、本人確認書類などの添付書類も必要です。
ここまで来て、ようやく法務局に行く準備が整います。
手続きがわからない場合、法務局の職員から指南を受けることはできます。
しかし、法務局によっては多くの人が順番を待っていて時間がかかってしまいます。
何より、法務局は平日しか対応していないので、人によっては仕事を休まなくてはなりません。
不動産名義書換手続を自分でやるのは大変なため、遺産分割協議書の作成は行政書士に依頼したり、登記手続きは司法書士に頼んだりなど、各専門家の手を借りたほうがスムーズです。