被相続人って聞いたことがありますか?
「相続」や「相続人」という言葉は知っていても、「被相続人」なんて聞いたことがない、見聞きしたことはあるけれど、何を意味しているのかわからないという方は多いのではないでしょうか。
被相続人とは、民法をはじめ、相続税など相続関係の法令や書類に出てくる、法律用語、専門用語です。
日常会話ではあまり使われませんが、いざ、家族や親族の間で相続が発生し、遺産分割を行うために書類を整えたり、相続税の納税をしたりするために手続きをしようとする場合、この言葉がよく登場しますので、今から理解をしておくとスムーズです。
「相続人」の冒頭ある「被」にはどういう意味があるでしょうか。
「被」は「被る」で「こうむる」と読み、「損害を受ける」とか「損害を被る」といった使われ方をするケースが多いです。
「被」という漢字から思い起こされる単語として「被害者」が挙げられます。
これは「害を被る(こうむる)者」を意味しており、事件や事故に巻き込まれて被害や損害を被ってしまった人を指しています。
また、「被災者」と言えば、災害を被った人のことで、地震や台風などの災害に遭ってしまった人です。
「被相続人」も同様に考えることができ、「相続を被った人」と分解できます。
つまり、相続が発生した際の亡くなった人や故人のことです。
たとえば、お父さんが亡くなられて、子どもが相続人となる場合、被相続人はその父ということになります。
祖母が亡くなって、あなたの親が相続をする際なら、被相続人は祖母ということです。
いざ相続が発生するときに備えて言葉になじんでおこう
家族や親族が亡くなった際、遺族間の会話の中で「被相続人が」と話をすることはあまりないでしょう。
たいていは、亡くなった方について「お父さん」が、「おばあちゃん」と、これまで通りの呼び方で話を進めていくはずです。
ですが、相続の手続きにあたり、遺産分割をしたり、保険金を請求したり、相続税の申告書などを書く際に、案内書類や申請書類に「被相続人」という言葉が登場します。
その際に、「被相続人一体何?」、「何を意味しているか理解できない」となると、手続きも先に進めなくなってしまうので、今から理解しておくと安心です。
いつ相続が発生するかは誰にもわからないからこそ
人はいつ亡くなるか、誰にも予想することはできません。
いかに高齢でも、いつ亡くなるのかは不明ですし、医師から余命宣告を受けても、いつ何日に亡くなるかなんて誰にも想定することはできません。
年齢も問わず、ある日突然、病気で亡くなったり、交通事故や事件などに巻き込まれたり、災害で命を落とすこともあります。
もちろん、大切な家族が亡くなるなんて想像したくもないことですが、いつ相続が発生するかはわかりませんので、「被相続人」という言葉は把握しておきましょう。