国債とは
国債とは日本の国がお金を借金によって用立てるために発行する債券です。
国が借金を返済する期限である償還期限まで保有すれば元本保証が得られるため、安全性の高い金融商品として知られています。
個人向けに発行されている国債には大きく2種類、半年ごとにいわゆる借金の利息を支払う利付国債と、発行時にあらかじめ利息相当額を差し引いて額面価格より安く発行され、償還期限が満了すると額面額が支払われる割引国債があります。
いずれも償還期限まで保有せずに途中で売却することもできますが、市場の状況やタイミングによっては元本割れするので注意しなくてはなりません。
株式に比べると市場価格の変動が少なく、償還期限まで保有すれば元本割れすることはないため、投資経験がまったくない方でも相続しやすいです。
相続で取得するには
相続財産の中に国債がある場合、それだけを相続人の誰かが譲り受けて償還を得るのではなく、まずは国債も含めたすべての相続財産を明らかにし、すべての相続人と連絡をとる必要があります。
法定相続人全員で話し合いを行い、全員の合意を持って、誰が何をいくら取得するのかを決めなくてはなりません。
国債が複数ある場合には、一人だけが承継しても、それぞれ別の相続人が取得してもかまいません。
誰か一人が代表して相続したうえで売却したり、償還を受けた現金を後日他の相続人と分割したりすることも可能です。
いずれにしても、国債を相続人が取得するためには話し合いをした事柄を書き記して、法定相続人全員の自署と実印が押された遺産分割協議書と全員の印鑑証明書を提出して、名義書換をしなくてはなりません。
名義書換請求にあたっては、遺産分割協議書と印鑑証明書に加えて、現在の名義人である故人の出生時から死亡時までの原戸籍や、取得した方が相続人であることを示す戸籍簿謄本、本人確認のための住民票などが必要です。
名義書換をした国債は、相続人名義の証券口座に移管されるため、故人が利用していた金融機関の証券口座に口座を持っていない場合には名義書換の手続きと同時に、本人確認書類などを提出のうえ口座開設も必要になります。
国債を相続するにあたって
国債は元本保証もある相続しやすい財産である一方、名義書換に至るまでには遺産分割協議や戸籍謄本の取得など煩雑な手続きが必要です。
再婚で異母兄弟や異父兄弟がいるなど家族関係が複雑で法定相続人がそろわない、原戸籍の取得で手間取っている、遺産分割協議書の書き方がわからないなど困っている際には、少しでも早く名義書換ができるよう、行政書士による相続人調査や公的書類の収集や代行取得、遺産分割協議書の作成を依頼するのがスムーズです。