まずは遺言書が無いか探そう
ご家族やご親族が亡くなり、相続が発生した場合、まずは遺言書があるかの確認が必要です。
生前に遺言書の存在や保管場所などについて伝えられている場合だけでなく、遺言書が残されているかどうかわからない際も、念のため家の中を確認することが望まれます。
故人様が使用していた机の引き出しや、大切なものなどをしまっていた場所や金庫、銀行の貸金庫をはじめ、クローゼットの中や愛用していた本棚の中などをチェックしましょう。
手帳や日記帳、エンディングノートなどの間に挟まっていたり、その中に遺言書がどこにしまってあるといったことが記載されたりしていることもあるので、可能性のある場所を細かく探していく必要があります。
遺言書が無い場合はどうするのか
思い当たる場所を探したり、遺品整理を終えても遺言書が無かったりする場合には、遺言は残されていないものとして相続手続きを開始することになります。
故人が遺言をした場合にはそれを尊重して遺産分割を行う必要がありますが、無い場合には遺産分割協議を行うのが基本です。
遺産分割協議ではすべての相続人が話し合いに参加し、分割内容に合意することが求められます。
相続人を確定と遺産の確認を行おう
遺産分割協議を行うにあたっては、法定相続人を確定させることと、分割すべき遺産をすべて調べ出すことが必要です。
遺産には自宅や土地などの不動産や預貯金や株式、保険などの金融資産、高価な美術品などが含まれます。
不動産は、相続人が知らなかった別荘や田舎の山林などがないか確認しましょう。
金融機関などは広く分散していることもあるため、故人名義の通帳やお財布の中にあるキャッシュカードなどを頼りに確認を進めてください。
相続人を確定するには、故人が生まれてから亡くなるまでの原戸籍を取得しなくてはなりません。
認知した子がいないかなどをチェックし、法定相続人を漏れなく探し出す必要があります。
離婚を繰り返したり再婚したりしていると以前の婚姻時の子どもも法定相続人となるため注意が必要です。
存在も知らなかった、会ったこともない、連絡先も知らないといった方と連絡を取らなくてはなりません。
子どもがすでに亡くなっている場合には、その子どもが代襲相続人となるため、より複雑になります。
原戸籍の取り寄せや、相続人探しで困った場合には、行政書士のサポートも受けられます。
全員で話し合いをしよう
どのように遺産を分割するかを相続人全員で話し合います。
民法上、法定相続分が定められていますが、必ずしもそれに従う必要はありません。
権利を有する方々が納得さえすればどのようにも分けることが可能です。
相続税の支払いも考え、節税対策となる分け方をするのも一つの方法です。
合意に至ったら、その内容を遺産分割協議書にまとめ、それぞれが印鑑証明書を用意して実印を押します。
なお、遺産分割協議書は書き方や押印すべき場所、さらには割り印が必要な場所が定められており、さらに不動産登記や預貯金の名義変更や解約時、保険金請求時にそれぞれ求められるため、複数作らなくてはなりません。
形式的な面も含め、困ったときには行政書士に作成を依頼できます。