実家の田んぼや畑などの農地を相続するときに、どのような手続きを行えばいいのか、ご存知ですか。
相続するときには、農地の名義変更を行う必要があります。
農業委員会へ届け出を行う必要があるので、相続時に思わぬトラブルに見舞われてしまうことがないよう、覚えておきましょう。
まず、農地を相続するときには、法務局で相続登記を行った後に農業委員会に相続届を忘れずに提出する必要があります。
法務局で相続登記を行うときには、農地を管轄する法務局で名義変更を行います。
このときに登記申請書や被相続人の戸籍附票のほか、被相続人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明を用意しなければいけません。
さらにこのほかにも、多数の書類や証明書が必要となるため、余裕をもって用意しておくといいでしょう。
農地を相続するときには準備する必要書類が多く、手間や時間がかかってしまうのがデメリットといえます。
相続登記を行う際の煩わしさを軽減するために、司法書士に依頼する方も増えています。
専門的な知識をもった司法書士の力を借りれば、スムーズに手続きを完了させられますので、困ったときには頼ってください。
一方、農地の相続を農業委員会へ届けるときには、農地法の規定による届出書や相続登記後の登記事項証明書など、必要書類をそろえなければいけません。
また、農地の相続後、遺産相続が3,000万円を超える場合には、相続税を計算しなければいけません。
農地を含めて相続した遺産総額が3,000万円を超えるときは、農地の評価を行った上で相続税を計算します。
農地の相続税評価は非常に複雑ですので、税理士などの専門家に相談してみるといいでしょう。
農地の相続放棄の注意点
相続税を支払えないという理由から、農地を手放す方もいます。
しかし、残念ながら農地だけで相続放棄することは認められておらず、すべての財産を放棄しなければいけません。
また、農地を相続放棄した場合であっても、所有権を放棄することはできないので注意しましょう。
農地はもちろんのこと、土地など不動産の所有権の放棄は認められていないのが現状です。
つまり、農地の相続放棄をしたとしても管理義務は発生します。
多くの方が家屋や土地、農地などの不動産を相続放棄した場合には、自分が負う義務もなくなると考えているものです。
しかし、たとえ家屋や土地、農地などの不動産を相続放棄してもすぐに管理義務が消滅してしまうのではなく、損害が生じたときには賠償責任を負う可能性があるので注意してください。
農地の相続放棄には、さまざまな制限が設けられているので、どのように対応することがベストなのかをじっくりと考えてみる必要があります。
現在、農地の相続税には、納税猶予の特例が認められています。
条件を満たせば農地にかかる相続税や贈与税を猶予してもらうことも可能なので、税務署や税理士など専門家に相談してみましょう。