胎児への遺産相続に関するルール

 

遺産相続の権利は法律上、胎児にも認められているのでしょうか。
民法では胎児への遺産相続に関しても明確にルールが決められていますので、簡潔に紹介します。

 

相続は胎児にも認められる権利

まず、胎児への遺産相続は権利として認められています。
胎児は当然自らの意思を表明することはできず、通常の方に認められる「人権」はほとんど認められていませんが、この点は数少ない例外といえるでしょう。
社会通念上、胎児も出産後に養育のために必要な費用を受け取らなければ健やかな成長が望めません。
そのため、胎児だからといって遺産を一切受け取れないというのは不公平であり、例外的に権利が認められるのは理にかなっています。

 

胎児が死産した場合などのルール

非常に残念なことですが、胎児が100%無事に生まれてくるとは限らないのが現実です。
医療技術が進歩した現代でも、確率は低くなっていますが、死産になってしまう可能性があります。
胎児が死産となってしまった場合は、胎児を故人の子孫とみなして遺産を相続させることはできません。
逆に赤ちゃんが胎児であった時点で遺産分割協議を終えてしまったが、胎児が無事生まれたために遺産相続する権利をもつ方が1人増えるという可能性も考えられます。
その際は遺産分割協議をやり直し、胎児にも遺産を分け与えなければなりません。
したがって、遺産相続人に胎児がいる場合は、胎児の出生後に遺産分割協議を行うほうが無駄を減らせるでしょう。
もちろん、生まれてきた赤ちゃんの親が遺産相続を放棄する可能性もゼロではありません。
本来遺産相続は遺産を受け取る権利があることを知ってから3ヶ月以内に行うというルールがあります。
しかし妊娠がわかってから出産までは3ヶ月以上かかるので、場合によっては遺産があることを知ってから3ヶ月以内に放棄の手続きをとれない可能性もあります。
そのため、胎児への遺産相続放棄の手続きは出生から3ヶ月以内という特別なルールが定められているので安心です。
出生直後は遺産相続に関係なく、育児に加えて出生や名前の届け出などがありバタバタするものですから、相続放棄の手続きは一番あわただしい時期が過ぎてから行うほうがよいでしょう。

 

不動産登記も胎児の時点で可能

遺産相続は金銭だけとは限らず、不動産の譲渡という形で行われることもあります。
そのため、遺産相続だけでなく不動産登記も胎児名義で行うことが可能です。
胎児の時点ではまだお子さんの名前が決まっていないのが普通なので、登記は名前ではなく「亡甲妻乙胎児」という形でなされます。
どんな形で相続するにせよ、遺産相続は通常でも手続きなどがわかりにくい分野で一生に何度も経験するものでもありません。
胎児がいる場合には遺産分割協議の進め方などを含めなおさらの注意が必要となるので、専門家の協力をあおぐほうが円滑に手続きを進めやすくなります。
少しでも不明な点があれば、弁護士などの専門家に相談しましょう。

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