人によっては夫に相続させたくないという人もいるでしょう。
そんなときにはいろいろな方法があって、遺言書を利用する方法もあります。
遺言書を利用するのが最良なのかは、その他の方法との兼ね合いによっても違いますので、自分の状況を踏まえた上で、遺言書を利用するかどうかを決めるとよいでしょう。
今回は遺言書を利用する方法を含む、夫に相続させない方法について紹介します。
夫に相続させない方法はいろいろある
夫に相続させない方法として遺言書を利用する場合は、まずそのほかには方法がないのかをしっかりと把握しておきましょう。
夫に相続させたくない場合は、離婚という選択肢もあります。
離婚することによって、配偶者という関係性はなくなるわけですから、相続する権利も失われてしまいます。
離婚ということで、選択肢として考えられないこともあるかと思いますが、確実に夫に遺産を相続させないことができるので、1つの選択肢としては把握しておきたいところでしょう。
また、相続人の廃除という制度を利用する方法もあります。
ただし、これは利用するのに正当な理由が必要になってしまいます。
たとえば、虐待などの重大な事実や著しい侮辱があった場合、また、その他、非行と取れるような行為があった場合には、相続人の廃除を利用できる可能性が大きいです。
さらに、こちらも人によっては難しいかもしれませんが、財産を生きているうちに使い切ってしまうという方法もあります。
相続する財産がなければ、相続のしようがありません。
遺言書で夫に相続させない
遺言書を利用して夫に遺産を相続させないためには、遺言に夫を除く、子どもたちに相続させるなどの内容を記載しておけば、そのとおりに相続される可能性があります。
しかし、遺留分と呼ばれるものがあり、これは相続人が最低限遺産をもらえる割合のことを指していて、夫がこの請求権を行使すれば、遺留分に関しては夫に相続させる必要があります。
また、遺留分に関しては、遺留分減殺請求という方法で、請求する意思をみせなければならないので、夫が何も言わなければ、そのまま遺言書の分で相続されることになります。
逆に、遺留分減殺請求を想定して、最初から遺留分の割合である1/4を夫に相続させるという選択肢もあるでしょう。
生前贈与という方法もある
夫に遺産を相続させないためには、生前に財産を使い切ってしまうという選択肢もありますが、この方法は現実的に取れないことが多いです。
しかし、生前贈与を行って財産を減らしていくという手はあります。
生前贈与は年間110万円までならば贈与税の対象にはならないので、計画的に贈与ができれば、自分が死ぬときには、かなり遺産を減らすことができるかもしれません。
また、贈与を利用する場合は、特別受益には注意する必要があり、生前贈与分を踏まえた上で、遺産が分割される可能性があります。
それを防ぐためには、遺言書を利用して、持戻しの免除を指定しておくとよいでしょう。